続けるということ

年末が近づくと、毎年解散したり活動休止したりメンバーが脱退したりするバンドが多く出てくる気がする。気のせいかもしれないし、実際キリが良いタイミングだと捉えて、このタイミングで辞める判断をすることも多いのかもしれない。

そう言った話を聞くたびに、「俺はまだバンドを続けてしまった」という感想が出てくる。深い意味はなく、同年代の人たちはバンドが売れたり人気が出て、よりハードルの高い世界で勝負をしているか、とっくにやめてしまったか、という人ばかりになる年齢に俺がなっているからだ。

よく、ベテランスポーツ選手が頑張ってる、的なニュースを見ても「ボロボロになって本人が納得するまで続けて欲しい」という肯定的な意見もあれば、「見苦しい。晩節を汚して欲しくなかった」という否定的な意見もある。執念深く続けることと、スッパリと辞めること、どちらが格好いいのかは分からない。どちらにしろ、何も成し遂げられていない俺には当てはまらないし何も格好良くはない。

俺自身、今やってるバンドをもう辞めた方がいいかなと思うことは今まで多々あった。昔は、そういう時に限ってライブ後にやたらと褒められたり、CDが売れてなんとなく思いとどまったが、ここ数年はどちらかというと「これを辞めて次新たなバンドを立ち上げられるだけの若さがもうないだろう」という思いも正直ある。ただ、俺自身は惰性で今のバンドをしているつもりはない。やるからには、絶対により良くなり続けるようにやっているつもりだし、常にその時点がバンド史上1番良い状態、と言えるようにしてるつもりだ。

とにかく楽器を弾き続けることを辞めたくない、ということに尽きる。それは、俺が学生という身分じゃなくなる時に「一生楽器は弾き続ける」「必ず楽器を上手くなり続ける」という目標を決めたから、それを捨ててしまうのが1番中途半端で、格好良くない人生だな、と思うからである。何かしら大きいことを成し遂げたりはしなくても、せめて自分のポリシーは貫いて死にたい、というコトである。(実際のところ、楽器を上手くなり続けているかは怪しいけど。)

俺も、今のバンドをいつまで続けられるかは分からない。現に去年は解散未遂騒動もあった。ただ、俺は周囲からどう思われようが、たとえ今やってるバンドがなくなろうが、このまま楽器を弾き続けるために何かしら足掻き続ける人生を送るのだろう。

soe

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