ミナミホイールを終えて

ミナミホイールが終わった。ミナミホイールとは、大阪の心斎橋・アメ村・堀江付近のライブハウス20件近くで、様々なバンドのライブが行われ、パスがあれば自由に見て回れる、いわゆるサーキットイベント、と呼ばれるやつである。3日間昼から夜まで開催され、本編終了後にも各ライブハウスが独自でオールナイトイベントをやったり、様々なバンドが宣伝をするためにアメ村周辺に繰り出して、BIGSTEP前ではフライヤーや無料音源を配るバンドマンの列ができるなど、この開催期間は心斎橋付近はかなりの盛り上がりを見せる。そのミナミホイール、通称ミナホが終わった。

といっても、俺は関連イベント含めて特に何かに出演したわけではないので、フラフラとアメ村界隈に遊びにいっただけであった。ミナホは、そもそも縁が薄い。学生時代は、自分がオリジナルバンド(自分達で作った曲を演奏するバンド)をやっていたわけでもなく、かつ自分にとっての一大イベント学祭と期間がちょうどかぶっていたため、全く縁がなかった。その後も、「なんかやってるな。」という感じで遠めにみてる期間が続いた。むしろ人が多いのでこのミナミエリアにあまり近づいていなかった。ちゃんとライブを見たり、関連するイベントに行ったりするようになったのもここ2、3年である。ミナホビギナーだ。

今年は、なんだかんだで3日ともアメ村界隈に近づいた。1日目は、パンケーキ食べ放題ライブにも出てもらうグッバイセブンティーンと、なんか当blogでも頻繁に名前を出してしまっているEmu sickSが共催した「16ビートで寝かせナイヴ」という夜中に開催されたイベントに行った。俺は、友人の結婚式後に行ったので序盤は見れず中盤からの参加だった。音数を抜いたサウンドと身体を揺らすグルーヴィなリズムのペペッターズと、全てを振り切ったテンションのあの娘はウォンバットが特に「両方とも正反対な意味で深夜っぽい」っていう理由で印象に残った。トリのEmu sickSの盛り上がりは流石。あとヤジが凄かった。終了は午前3時過ぎ。もちろん電車は動いていないので皆グダグダとしていた。Funny Funk Fishサポートドラムようほうにも「まだ電車動くまで待たないとダメなんっすよー。soeさんも電車ないでしょ!?えっ、自転車?自転車も始発動いてないですよ一緒に待ちましょうよ。」と見事に酔っ払ったことを言われたが、すっと帰った。

2日目は晩ごはんを食べるついでに少しアメ村に行った。Lambdaギターボーカルたなちゅー、ベーシスト兼チーズケーキおじさんのりゅーちゃんと会ったりした。りゅーちゃんとは、パンケーキとチーズケーキどちらが売れるか勝負するイベントを今度しよう、という話をした気がする。もし開催したら恐らく負けるだろう。他にも色んな人にあった。

3日目は、チケットを買っていたので割とマジメにライブを見た。レベル27、グッバイセブンティーン、THE BOSSSと見た。皆大盛況で、レベル27はユーモアありつつ寄り添う感じで、グッバイセブンティーンはポップとロックを織り混ぜる感じで、THE BOSSSはまさにロックスターといった感じで、それぞれがそれぞれの方法で盛り上げれててすごい。その後、しばらくBIGSTEP前でイベントのフライヤーを配った。皆が「○○(バンド名)でーす!今日×時から□□(ライブハウス)で演奏しまーす!」と真剣に言っている中、「パンケーキ食べ放題でーす!」と言いながらフライヤー配るのはキレられてもおかしくないな。と思った。が、やはり「パンケーキ食べ放題」はパワーワードなのか、絶対普通なら俺のライブなんて見ないだろうな、みたいな人も興味を持ってくれたり、もはやミナホ関係ない人ですら受け取りはしなくても「えーパンケーキ食べ放題なら食べたいー。」等と会話のネタにしていた。なんとなく色んな人にとりあえず興味持ってもらえた感じはあったし、何より自分がやってることがバカっぽくて楽しくなっていた。配った人全員が当日FANJに来たら間違いなく俺はパンケーキを焼くのを捌ききれないだろうという人数に配った。

その後、コジマユイちゃんのライブペイント(描き終わってたので完成版)を見にいったり、フライヤー配ってる時に、横で割と面白いテンションでチラシ配っていた踊る!ディスコ室町を見にいったりした。今まで見たことなくてはじめて見たが、若そうだけどボーカルの声が渋く、演奏もファンキーで格好良いバンドだった。最後は、主目的にしていたfulaを見た。去年にメンバーがギターボーカル以外総チェンジ、になったけど、その結果新たに加入したギタリストが俺の学生の時の先輩、という不思議な縁もあって見に行った。以前も見たことあるけど、やっぱりポップで歌モノのはずなのに、めちゃくちゃテクニカル。メンバーが変わっても完成度高くて凄い良かった。その先輩であるギタリスト、ピギー氏は相変わらずというか前見たとき以上にギター上手くて一生追いつけないと思った。見終わった後は、一緒に見てた理科ブレの三月くんに「すげー」とベタ過ぎる感想を言った。

その後、三角公園に行くと、祭りが終わって欲しくないバンドマン中心に飲んだり騒いだりが続いていた。例年通り、もはや無法地帯と化しつつある状況で、花火をしてる人々もいた。この光景を見ると、なんとなくしみじみする。

ミナミホイールは、ちょっとしたお祭りである。色んなバンドマンに久々に会ったりするし、全く名前も知らなかったようなバンドにファンの人々が集まってる光景を見て「あ、人気ある人達なんだ」と知ったりする。そして、みんなライブを見に来てもらおうと、注目を集めようと、何かしら頑張っている。その熱量が、あの独特の盛り上がりを見せているんだろうな、と思う。最初に書いた通り、俺は今年も特に出演はしていない。ただ、今出演できても中心から一番遠いライブハウス(ミナホのライブハウスがあるエリアは、東西最大で地下鉄4駅分の距離になります。)を割り当てられた日には全く見に来る人呼べないんだろうな、と容易に想像つく。その端の方のライブハウスに当たってしまい、お客さんに興味を持ってもらうため凄い身体張ったり、頑張って宣伝している若いバンドマンを見ては「もう若くないしあんなに頑張るのしんどいな…」という率直な感想が頭に浮かぶ。なので、毎年「ミナミホイール出演したいのか?」と言われると正直悩んでしまう。(ただ、一応今年は応募はしてました。)。でも一方で、やはりあの熱量や盛り上がり方を見ると、もうちょっとこの盛り上がりに主体的に関われたらな、とも考える。次のミナミホイールまでにはもう少し色々な面を頑張って、来年はもうちょっと面白い形で参加できればよいな、と思う。ちなみにトップの写真は1日目深夜のイベント終了後朝4時ぐらいに食べた珈琲館のホットケーキ。珈琲館は24時間営業の店舗もあるのでいつでもホットケーキが食べられます。

soe

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