グッバイセブンティーンというバンド

グッバイセブンティーン
Vocal&Guitar:愛奈
Guitar:森山
Bass:こんぼい
Drums:加門

今回のイベント”Sugar Addiction”で、俺が唯一今まで対バンしたことのないバンド、それがグッバイセブンティーン。略してグッセブ。2016年10月始動、というと新人バンドとなってしまうけれども、彼・彼女たちは全くそんなことのない、数々の修羅場を超えてきた歴戦のバンドマンたちである。

俺が一番関わりがあるのは、ベースの通称「こんぼい」と呼ばれる男であり、今回のライブ会場でもあるFANJにブッカー、のちに店長として去年まで勤めていた男である(今はカレー大好き馬主おじさんになった)。Funny Funk Fishでライブをすることになった最初の頃こそ、たまにFANJに出るぐらいで、その頃は彼もよそよそしい感じだったが、2014年頃からなぜか出演するペースが上がり、気がつくと月1回ぐらい出ているようになっていた。彼は関西外のバンドのブッキングにも長けており、素晴らしいバンドや個性的なバンドを数多くFANJに呼んでいた。俺が対バンさせてもらったバンドも福岡の「世界のザキ」、東京の「わがままカレッジ(惜しくも去年解散)」、広島の「ペロペロしてやりたいわズ」「ウサギバニーボーイ」や「ピカピカ☆異伝子」など、思い浮かぶバンドは数多い。あとなんかアメリカのバンド「The Octopus Project」とも対バンした。思い浮かぶバンドが個性的という表現を超えて、何かしらヤバいバンドが時折出てくるのはきっと気のせいである。

そんな我々がFANJの爆弾処理班として知り合った凄いバンドの紹介はまた別の機会にするとして、こんぼいはグッバイセブンティーンとは別に、もともと「Fragile」というバンドを長年続けている。こちらは轟音鳴り響くオルタナ、ポストハードコアといったバンドで、エモーショナルな男性ボーカルを中心にして、合間に入ってくるメロディアスな女性ギターボーカルが見事なコンビネーションを生み出すバンドである。このバンドはこのバンドで、ジャキジャキとした突き刺さる音で迫り来る音圧は凄まじく、「音に圧倒される」という表現がぴったりで、めちゃくちゃ格好いい。そのこんぼいが、2015年頃に「別のバンドも始めようと思うんですよ。」と言ってきた。そして次の一言は個人的にとても衝撃を受けた。

「ポップなバンドをやろうと思ってます。」

前述した通り、俺の中でのこんぼいのイメージは、轟音のバンドの中でどの楽器にも負けない凄まじい音圧で低音を出す男だったから、「ポップ」と聞いた瞬間は「マジか。」と思ったのが率直な感想だった。しかも、メンバーを聞くとボーカルが愛奈さん、とのことだった。愛奈さんは、当時、直接会話したことはなかったが、前に「FIZZ」というバンドをやっている姿を一度見ていた(現在は活動休止中とのこと)。FIZZは一度見た印象は、オルタナティブなロックで、鋭いサウンドとそれに負けないボーカル、といった「女性ボーカルだけど格好いいバンド」という印象だったので、正直なところをいうとポップスバンドというのは更に「マジか。」と思ったのだった。

その数ヶ月後、グッバイセブンティーンというバンドは世に現れた。運良く初ライブのイベントを観に行くことができたので観に行った。グッバイセブンティーンは、見事にポップロックなバンドだった。曲は上質なポップス、と言ってよく、頭の中に残るメロディと、そのメロディを十分に聴かせられる歌唱力で構成されていた。初回のライブの時こそは、「若干サウンドがやっぱりロックに寄りすぎかな…。」と思ったけれども、その後何度か見るごとに、各楽器は見事に歌を支えつつ、美味しいフレーズを奏でるようになっており、「さすが…!!」と思わずにはいられなかった。聞けばこんぼいや愛奈さん以外も今までバンドをやってきた人たちで、経験の豊富さを感じた。上に載せた「サワークリーム」という曲は、特に爽やかな曲調で、サビのメロディとコード進行が秀逸すぎる素晴らしいポップソングだと思う。

そして、「Mr.X」のような速いロックチューンを聴くと「やっぱり今までロックのバンドやってきただけあるなぁ」と、単なるポップスバンドでない、と思うのだ。メロディや楽器の音遣いこそキャッチーだけども、疾走感や、サビの爆発的な盛り上げ方はお見事と言うしかない。アウトロでは、各楽器が存分にテクニックを披露してて、盛り上げつつも疾走感を見事に保っている。皆上手い。凄い。

グッバイセブンティーンは、1stミニアルバムを9月に出している(Lambdaに引き続きグッセブも新譜CD買えてないんですすいません…。)。MVも新たに「初恋」と言う曲で出している。この曲もそうだし、前のシングルに入っていた「きらいな人の歌」という曲を聞いても思うのは、グッバイセブンティーンはすごい歌が突き刺さってくる、ということだ。メロディは上にも書いたようにキャッチーなんだけれども、歌詞と歌の上手さがあいまって、女性の心情みたいなのが怖いぐらいに伝わる。単なるポップでキャッチーで終わらずに、ロックな一面やシリアスな姿を見せれるバンド、それがグッバイセブンティーンなのだ。(個人的にはミニアルバムに入っているらしい、「チュールスカート」という曲がライブでめちゃくちゃ格好良くて好きです。)

グッバイセブンティーンは、この週末に開催される大阪が誇る一大ライブサーキット、ミナミホイールに出演する。グッセブの出番は最終日9日(月)の15:15からclub vijonとのこと。また、ミナホ初日7日(土)には本編終了後に深夜に南堀江knaveでEmu sickSと共同イベントを開催したり、12/17(日)にはグッバイセブンティーン主催サーキットイベントをアメ村界隈で開催するとのこと。今までの経験を活かした高い演奏力・表現力を持ちつつ、様々な新しい企画を打ち出していく経験豊かな新人バンド、グッバイセブンティーンは今後がすごい楽しみです。11/23の”Sugar Addiction”でもポップに胸を抉ってくれることを期待しています。

soe

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