SAPPYというバンド


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SAPPY
さっぴ(Vo/Syn)
樽本涼平(Gt/Cho)
こたにゃん(Dr/Cho)
あけみ(Key/Cho)

自らを「神戸発ロマンティックセンチメンタルポップグループ」と称するSAPPY。女性ボーカルを中心に、煌びやかでキャッチーなバンドサウンド、と一見一聴すると、とても華やかな、まさに「ポップでキュート」な雰囲気を持つバンドである。でも、このバンドの魅力はそれだけではない。今まで対バンした回数は多くない俺でも、ライブを見たり曲を聴いたりするたびに、新たな一面を発見できる、様々な魅力と深い音楽性を持ったとても素晴らしいバンドである。

向こうは覚えてないと思うけれども、ギター・コンポーザーの樽本くんを最初に見たのは、彼が以前にやっていたバンドと対バンした時である。その時の彼はフロントマンであり、「とんがっていた」ステージ上の姿をなんとなく覚えている。でも、多分そのバンドとも一回対バンした後関わりはなく、気がつくと新たなバンドを始動する、というのをSNSで見て知った。その時は、ぱっと聴いて曲はポップだし女性ボーカルだし、全然方向性違うバンドやるんだな、と正直驚いた思い出がある。きちんと彼らを追えていなかった最初は、俺も先に書いた「ポップでキュート」なバンドなんだな、という印象をまず受けた。

SAPPYとの対バンも2014年に一度あったぐらいである。SAPPYとの対バンは楽しみにしていたが、Funny Funk Fishがこの日諸事情で急遽ドラムレス編成でライブをすることになり、PCからシンセと同時にドラムの音も鳴らすため楽屋でひたすらその準備に追われた。その結果、SAPPYのライブを見ることもできなかったという、超個人的な苦い思い出がある。なので、この時も楽屋とかで大して話をせず終わってしまった。

↑こちらは近年のSAPPYの様子。楽曲はキャッチーでポップなものが多く揃っているが、ライブは紛れもなくロックバンド。

その後は、その対バンした時のメンバーが脱退するという情報をどこからか聞いたりした。それまでも、なかなかバンドメンバーを固定できず、苦労していた時期もあった印象だが、2015年ぐらいから、現在のメンバー構成に近づいていき、ライブも安定して行えるようになってきたのだと思う。俺もたまたま見に行ったイベントでSAPPYを見かけることが多くなってきた。

このあたりから、このバンドに持った印象は「パンク」である。樽本くんは曲によってはギターをかき鳴らしたりして、サウンドの前面に出てきていて、「やっぱりロックな人なんだ」と感じさせたし、ボーカルのさっぴさんもライブでのパフォーマンスはアグレッシブで、攻めるフロントマンなんだ、とライブを見るたび思った。単なる「ポップでキュート」で終わらせない、ライブの見ごたえがあるバンドだ、と感じた。「SAPPY」というバンド名は色んな理由からつけたようだけれども、理由の一つの「Nirvanaの楽曲から取った」というのを十分納得できた。

そして更に印象が変わったのが今年の7月に発売した全国流通フルアルバム「ULTRA FUTURE」を聴いて、である。この夏前あたりから、ごく稀にFFFサポートドラムのようほうがSAPPYのサポートもやることがあり、「新しい音源聴かせてもらったのが凄い良い」という話を聞いていた。CDを無事購入できたので、聴いた。とても良い。今までも、ライブで聴くSAPPYの楽曲は「きっと色んな音楽に詳しくて、好きなんだろうな」と感じさせるバリエーションのある曲が揃っていた。それらが、フルアルバムの多い曲数でも、それぞれに個性があるし、どれもクオリティが高い。その上、そういったバリエーションがありつつもどれも「SAPPYらしさ」を感じさせて、統一感あってアルバムとして聴きやすいようにまとまっているのが凄いと感じた。ロックかつポップで弾けるような「Orange&Fall」という曲や、センチメンタルさもありつつも、疾走感あるテンポで、耳に残るシンセリードとメロディによって凄いキラーチューン感のある「Magic Hour」といった曲はライブで聴いたこともあって、やっぱりいい曲だなと、アルバムを最初に聴きだした時はまず思ったりした。しかし、最終的には後半に収録されている「Nostalgia,Ultra」という曲が俺個人はとても気に入った、というかこの曲が凄い。

失礼な言い方になるかもしれないけれども、この「Nostalgia,Ultra」という曲は先に出したような曲ほど「分かりやすい」曲ではないと思う。静かな雰囲気から始まるこの曲は「勢いでブチ上げる」みたいなのとは程遠い曲であるし、日本人が好きな「泣きのバラード」とも違う。近年洋楽で盛り上がっている「チルウェイブ」や「ドリームポップ」と呼ばれているジャンルになるのかな、と思った。テンションを落とし、ふわっとしたサウンドの楽器やボーカルメロディから始まり、徐々に徐々にテンションをゆっくりと上げていき、最終的には他のキラーチューンに負けないぐらいにテンションを最高潮に持っていく。聴いていると、気がつくと身体が自然と横揺れしてしまう、とても心地の良い曲である。こういう、聴いている人に対してじっくりと高揚感みたいなモノを高めていく曲を作り上げるのは相当バンドのアレンジ力や、演奏力が必要だろうな、と非常に感心したというか尊敬する。聴きやすい「ポップ」や、ノリやすい「ロック」な要素だけでなく、こういった様々な音楽性を取り込んで、自分達らしくアウトプットできるバンド、とこのアルバムを聴いて更に印象が変わった。今回イベントに誘わさせてもらった決め手はここにあるといっていい。凄い「Nostalgia,Ultra」推しになってしまったが、先に書いた通りどの曲も良いのでぜひアルバム聴いてみてほしい。Apple Musicでも聴けます。

SAPPYは、この夏「ULTRA FUTURE」のツアーや、Emu sickS、福岡のabout a ROOMとともに「16ビートアザラシコンピ」のツアーで各地を回って充実した活動を送っている。その「ULTRA FUTURE」のツアーファイナルが11/16(木)に心斎橋Pangeaで開催されるので、少しでも興味を持った人はぜひ見に行ってほしい。そして、彼らはその勢いで一週間後の11/23(木・祝)のSugar Addictionでもいいライブをしてくれるに違いない。とても期待してます。

soe

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